関西が生んだ左利きのストライカー。大学選抜、日本代表での活躍に期待。

大阪体育大学 サッカー部 澤上竜二選手
 
大阪体育大学に進学して頭角をあらわし、大学2回生のとき10番を背負って チームをインカレ優勝に導いた左利きのストライカー、澤上竜二選手。 ユニバーシアード競技大会を控える今年、全日本大学選抜の正式メンバー入りをめざして大学、選抜の二足のわらじを履く。 いま注目のストライカーに自身のプレースタイルの武器や大学選抜の目標、さらに日本代表への思いについて聞いた。
 
 

澤上竜二選手

大学日本一に惹かれて大体大へ

兄の影響で小学2年のときにサッカーをはじめ、中学卒業後は出身の奈良県を離れて静岡県の飛龍高校に進学しました。兄が進んだ高校だったという点に加えて、中学時代のサッカー部恩師が飛龍高校の顧問の先生と知り合いだったというのが進学の理由です。高校時代のクラブの成績は静岡県総体でベスト8に進んだ程度でしたが、僕自身は高校2年次に一度、静岡県の選抜メンバーに入りましたね。
実は、高校卒業後はプロ入りをめざしていたんです。そのために清水エスパルスの練習にも参加させてもらっていましたが、やはりレベルは高く、フォワードでの起用は難しいと指摘されました。自分自身はフォワードとしてやっていきたい思いが強く、ならば違う環境で自分のプレースタイルを磨こうと考え、以前から誘われていた大阪体育大学への進学を決めたんです。大体大はちょうど僕が高校3年次に総理大臣杯で日本一になり、また飛龍高校のサッカー部の恩師が同大学出身という影響もあって決めました。
 
 

攻撃の起点となれるのが武器

大学では1回生ですぐレギュラー入りし、背番号10番を託されました。1年目のクラブの成績はふるいませんでしたが、2回生のとき全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)で大体大として28年ぶり2度目の優勝。さらに同年、関西学生サッカーリーグでも優勝することができました。4回生の今年は、チームの目標としてはインカレ優勝、個人としては得点王をめざしています。
インカレで優勝したときは、まわりが僕を活かしてくれたおかげで点を多く取れていた面があります。一方、いまはワントップで自分が攻撃の起点になるケースが多いため、まわりを活かしつつ自分もゴールにからむプレーをしていきたいですね。
〝攻撃の起点〟になるというのは、自分の武器だと捉えています。フォワードは走力を活かして抜け出す選手が多いですが、僕の場合、ボールを集めて相手を背負うプレースタイルに自信を深めてきました。
相手を背負うためには体の強さが必要です。普通は筋トレをして体幹を鍛え、当たり負けしない体づくりに意識が向きがちですが、大学では実戦を前提としたトレーニングを重視しています。具体的には、力で対抗するのではなく、力を受けて流したり、反対に相手の力を利用したりするような体の使い方の練習です。
大学2回生のときに初めて選ばれた全日本大学選抜チームには現在、僕と同じようなプレースタイルの選手はいません。だから体の使い方をさらに磨き、選抜チームに不可欠な存在として成長をめざしていきます。
一方の課題は逆足を使えるようになることですね。僕は左利きで左のシュートも武器だと思っているんですが、最近は左を切られることが多く、右足も使えるようになって攻撃の幅を広げていきたいと考えています。
 
 

選抜での経験を大学のチームに還元

先ほども触れたように、大学2回生で初めて全日本大学選抜チームに選ばれました。当初は試合にほとんど出られなかったのですが、今年のスペイン遠征の頃から少しずつ起用してもらえるようになっています。主力としてチームを引っ張れるよう、引き続き努力を重ねていきます。
選抜で結果を残すためには、選抜ならではの課題を克服する必要があると考えています。大学のチームではボールを前に出して攻撃にからめるプレーが多いのですが、選抜はボールをつなぐプレースタイルが重視されます。だからボールを持っていないときの動きや、動き出しのタイミングの精度をもっと高めないといけない。さらにゴール前だけじゃなく、中盤でもフォワードがからむプレーを増やしていく必要もあります。さすが選抜メンバーだけあって選手のレベルは高いので、パスのタイミングも絶妙で、やりやすさはありますね。
大学と選抜のかけ持ちで大変では、とよく聞かれます。たとえば今年の2、3月は選抜のキャンプで大学の練習にはほぼ出られませんでした。そのあいだ選抜のプレーに没頭して大学のチームに戻ったので、いざ大学でプレーするとスタイルの違いに戸惑いましたね。
でも選抜で得た経験を大学にフィードバックできる利点はあります。大学のチームのほうが選手はよく動きますが、ポジション取りや動きの質は選抜のほうがレベルが高い。たとえばフォワードがボールを受けた際に中盤が素早く後ろに回り込むとか、とにかくフォワードがプレーしやすいようまわりが固めてくれるんです。そうしたポジション取りの大切さを大学のメンバーに伝えていますね。
 
 

プロ入りし、代表で活躍したい

出身の奈良県を出て高校は関東でプレーし、また大学で関西に戻ってきました。サッカーは関東のほうがレベルが高いといわれるのですが、たとえば昨年のインカレはベスト4のうち、関西の大学が3チーム残っている。さらにその前年は大体大が優勝していますし、関西のサッカーのレベルも上がってきているのではないでしょうか。
ただ関東は全体のレベルが底上げされている反面、関西は一部のチームが抜けている印象があります。僕自身が大学でできることはあと1年と限られていますが、関西の大学サッカーのレベルを底上げできるよう、微力ならがらも貢献できればと思っています。
昨年9月、初めてU-21日本代表に選ばれてプレーしたんです。すべてのレベルが高いのはもちろんですが、とくに印象に残ったのは、大学よりプレーのスピードが格段に速かったこと。ついていくのは大変でしたが勉強になりました。
まさか代表に呼ばれるとは思っていなかったので、驚いたのと同時に嬉しかったですね。というのも小学生の頃に久保竜彦選手が好きで、代表にあこがれていたんです。実際にプレーできた喜びもありましたが、冷静に振り返ると、相手を背負ってプレーしながら攻撃の起点をつくるという、自分のプレースタイルは代表でも十分通用するという確信が持てました。
大学卒業後はプロ入りし、プロになるだけでなく、その世界で活躍できる選手をめざします。もちろん目標の舞台はJ1です。まずJ1でしっかりと結果を残し、日本代表に選ばれ世界で戦える選手をめざしていきます。